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「成りたい自分へ」高校3年F組担任(家庭科)
蒸し蒸しと暑い日が続き、少し外を歩くだけで思わず「あちち」と独り言をつぶやいてしまう毎日です。私だけでしょうか。
私は高校三年生の担任をしていますが、生徒と話すとどうしても進路の話題になります。
「将来、何をしたいの?」
「どんなことに興味があるの?」
顔を合わせるたびにそんな話ばかりしていると、「やりたいこと…特にないんです」と頭を抱える生徒も少なくありません。
私自身、高校生の頃を思い返すと、やりたいことははっきり定まっておらず、テニスを続けていたからテニス関係の仕事に就こうかと漠然と考えていただけでした。ですから、彼らが悩む気持ちもなんとなく理解できます。
では、皆さんは「将来の夢は?」と聞かれたら、何と答えますか。薬剤師、公務員、学校の先生…多くの人は職業を挙げるのではないでしょうか。
しかし私は、将来の夢はもっと自由であっていいと考えています。たとえばいまの私の夢は、『Dr.コトー診療所』のコトー先生のような人になることです。
その話を生徒にすると、教室はシーンと静まり返ります。
「真面目に答えてくださいよ」
「もう先生になってるから夢は叶ってるんじゃない?」
と言われることもありますが、教員になることは確かに一つの夢でした。私を救ってくれた先生方への 感謝と憧れを抱き、与えていただいた分を今度は与える側へなりたい。それも強く思う一方、それが私の夢の全てではありません。
私が考える本当の夢とは、仕事だけでなく、
- 自分が将来どうありたいか
- どんな自分に成りたい
そんな答えも含んでいいと思うのです。
コトー先生は誰にでも優しく、患者にどれだけ悪態をつかれても、その人なりの事情があると考え続けられる人です。悪口を言われても、馬鹿にされても、いつも笑顔を絶やさず、その人の背景に思いを馳せる。感情を武器にせず、人を守るために感情を使う。そんな人間になりたいと、私は強く思うようになりました。
漫画やドラマ、映画にはたくさんの憧れの人物が登場します。あなたにとっての「なりたい自分」は誰ですか?どんな自分に成りたいですか?
目の前には宿題や部活などやることが山ほどあるでしょう。たまにはスマホをそっと置いて、空を見上げながら、「あちち」と呟きながら、ゆっくり考える時間を作ってみるのも悪くないかもしれません。
そしていつか、人生の最後に「いい人生だったなぁ」と思いながら目を閉じられたらいいなぁなんて、思ってます。