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問いの種を、3年間育てるということ。「研究発表」中学3年学年主任
「なぜだろう?」という小さな疑問は、放っておけば消えてしまう頼りないものです 。しかし、その疑問を3年間、大切に育み、仲間と共にさまざまな体験を重ねて思考をかき混ぜていくと、それは自分でも想像しなかったような「答え」へと姿を変えます。
本校が大切にしている「創発学」の集大成 。12月17日に行われた中学3年生によるポスターセッションは、まさに生徒一人ひとりの頭の中に広がっていた「問いの森」を、誰にでも見える形にして並べたような、そんな時間でした 。
● 誰かの「借り物」ではない、生きたテーマ
会場に並んだポスターのタイトルを眺めるだけで、彼らの視線がどれほど広く、そして鋭く社会に向けられているかが分かります 。
【今回の発表の一例】
- 「iPS細胞由来の生殖細胞における妊娠・出産」:かつては夢物語だった再生細胞の可能性に挑んだ意欲作です 。
- 「てん、ぶらの油で飛行機を飛ばす SAF燃料とその導入」:持続可能な未来への具体的な提案 。
- 「政治的無関心と投票率の低下」:民主主義の足元を見つめ直す鋭い視点 。
- 「中日ドラゴンズを強くする方法」:情熱を客観的なデータで裏付ける試み 。
- 「恵まれないアフリカの子供達」:遠い国の課題を、自分たちの地続きとして捉える想像力 。
- 「ゲーム・ネット依存について」:自らの弱さと向き合い、律しようとする内省的な探究 。
これらは誰かに与えられた課題ではありません 。生徒自身が日常の中で感じた違和感や興味から出発し、自ら調べ、分析し、時には家族や地域の方々の協力を得ながら、自分なりの答えを導き出した「生きた研究」です 。
● 評価ではなく、「対話」が生まれる瞬間
会場を訪れた保護者や教員の皆様は、単なる「採点者」ではありませんでした 。生徒を一人の研究者として、その言葉に真摯に耳を傾けてくださいました 。
【来場者のコメント】
「iPS細胞という、今はもう夢で無くなってきた再生細胞に取り組んだ面白い内容でした。細胞の癌化を抑制する提案やクローン、優生学的な倫理観についてまで考察が深まれば、より素晴らしい発表になると感じました」
「中日ドラゴンズを強くするには、というテーマが面白い。ドラゴンズ愛が溢れていて、データからなぜ弱いのか、どうすれば強くなるのかが解明されており興味深かった。話し方の熱量も素晴らしかったです」
「恵まれない子供たちの感想から、ランドセルやタブレット寄付の必要性に気づく視点が素晴らしい。イーロン・マスク氏のような支援があれば実現できそう、という発想に驚きました」
「身近なゲーム依存というテーマ。自分を律する難しさと向き合う姿に、内面的な成長を感じて胸が熱くなった。一方的に話すのではなく、こちらの質問に対して、自分の言葉でしっかりと打ち返してくる。そのやり取りが、実に楽しかった」
自分の考えが来場者の視点とぶつかり、新しい気づきが生まれる。この心地よいセッションが、会場のあちこちで起きていました 。
● 1月24日、選ばれた「言葉たち」が次の舞台へ
この熱気溢れるセッションを経て選出された各クラスの代表2名は、2026年1月24日、さらに広い舞台でのプレゼンテーション発表会に臨みます 。
明治大学の付属校として新たな一歩を踏み出す本校において、この「創発学」は「生きるためのOS」のようなものだと考えています 。正解のない問いを面白がり、論理を積み上げ、自分の声で世界に届ける 。
3年間の学びを経て、彼らの背中は少しだけ大きく、頼もしく見えるようになりました 。本校の廊下を歩くとき、もしかしたら皆さんの耳にも、誰かが立てた「問いの音」が聞こえてくるかもしれません。その音が、これからの新しい日常を創り出していくのです。
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