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8名の代表が繋いだ「創発」のバトン 中学3年学年主任
12月の暮れ、本校の廊下を埋め尽くした120名の「問いの森」。 あの日、120通りの好奇心がポスターという形になり、対話の種がまかれました。あれから1ヶ月。年を越した1月24日、その中から選ばれた8名の精鋭たちが、体育館の大きなステージに立ちました。今回は、1・2年生の後輩たちに向けたパワーポイントによる研究発表会。3年間の「創発学」の集大成を、後輩へと手渡す大切な時間です。
この日の運営のすべてを生徒たちが担っていました。 司会進行、受付、マイク、そして進行のタイムマネジメント。教員は後ろで見守るだけで、会場には生徒たちの手による、心地よい緊張感と手作りの温かさが流れていました。仲間たちの思いを、自分たちの手で届けたい。そんな彼らの自負が、体育館の空気を整えていたように思います。
大きなスクリーンに映し出されたのは、冬休みを返上してさらに磨き上げられた8枚の物語です。
【発表テーマ一覧】
- てんぷらの油で飛行機を飛ばす!? SAF燃料とその導入
- マーベル・ヒーローに見る正義感とその社会的影響
- 政治的無関心と投票率の低下
- 恵まれないアフリカの子供達
- 短距離走の競技力向上に必要な要素
- 人はなぜ「いい人」を演じるのか
- 枯山水の魅力とおもしろみ
- 地球に生物が住めなくなる時に、人類や動物は生き残ることができるのか
8名のストーリには、単なる調べ学習を超えた「自分の声」が宿っていました。12月にはまだ小さな「点」だった知識が、冬を経て点と点が結びつき、大きな流れとなって体育館を震わせていました。その成長ぶりに、私は一人の教員として深い感銘を覚えました。
しかし、今回私たちが最も心を動かされたのは、発表そのもの以上に、その後に続いた「質疑応答」の質でした。
フロアに座る1年生、2年生から、次々と手が挙がります。 「その燃料が普及するためには、コストの壁をどう乗り越えるべきですか?」 時に大人でも言葉に詰まるような本質的な問いに対し、ステージ上の3年生たちは、臆することなくマイクを握り直しました。原稿を読み上げるのではなく、相手の問いを正面から受け止め、自分の思考の海から言葉を掬い上げる。その回答の的確さと誠実さは、まさに「自立した研究者」の顔でした。
質問をぶつけた後輩たちの目には、先輩への憧れと、「来年は自分たちが」という静かな野心が宿っていました。こうして3年生の「創発」に対しての熱い思いは、伝統という名のバトンとなって次代へ引き継がれていくのだと、確信した一日でした。
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